発酵食品は体にいいというのは周知の事実だと思われますが、果たしてその菌って実際に目にしたことはありますか?
味噌を作っていると、麹を作るために米や麦に麹を振りかけるんですが、何とも優しい萌黄色の粉(目に見える量の麹です)を、蒸した米や麦に振りかけます。
それをよく混ぜ、麹を培養さ、ゆでてつぶした大豆に塩と共に混ぜ込み寝かせると味噌が完成するのですが・・・
この味噌がですね・・・しばらく寝かせて蓋を取りますと、驚くほど白いカビの蓋が出来上がっている時があるんです。
知らない人が見たら間違いなく
カビ生えた!味噌ダメになっちゃった!
と叫ぶレベルで・・・
ですがこれ、産膜酵母という酵母の蓋です。麹を使った製品にはほとんど、空気に触れている部分にこれが発生します。 醤油にも出ますよ。
食べても無害ですが、風味が落ちるので私は取り除いちゃいますけどね。
でも、ラップよりも、空気を抜いた!と思えるくらい密閉した袋の中よりも、はるかに優秀なのがこの産膜酵母。
味噌は発酵食品なので(分かりやすく例えると)呼吸をしています。この産膜酵母は呼吸をさせつつ、体によろしくない他のカビから膜の下にある味噌を守ってくれています。
なので手作りでこれが出てしまったら、食べる部分だけ膜をはがして、その下の味噌をかきだし、そこ以外は手を付けない。 あ、膜は捨ててしまってOKです。
こんな風にするのが一番ベストな方法です。
ちなみに、私はこの味噌の上に柿の葉を並べて敷いておきます。
柿の葉は「柿の葉寿司」として使われるほど殺菌効果もある葉ですし、田舎の元農家なので庭に柿の木が普通に植わっていますからね。取りに行く手間も何もない。
昔からある自然の恵みで、先人たちの知恵でどうにでもできちゃうものです。ありがたやー
写真の味噌は一昨年(2019)仕込んだ味噌。
昨年は施設の老朽化により仕込めなかったのです。それでも我が家にある一番古い味噌は2017年の味噌。発酵の変化を楽しめますし、味噌がこなれていく過程がよくわかるので、面白いですよ。 ちなみに一回の仕込みで35キロほど仕込んでいます。
保存場所は実家の土蔵。実父がまだ若かりし頃は、そこに味噌・醤油がおいてあった。という土蔵の中の食品庫に保存しているので、クラツキ(もともと蔵の中に生息している古い菌)もこれらの味噌を美味しくしてくれていると思います。
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